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ビジネス最前線, ブログ

2016 - 09 - 26

「人事課」をおかない大企業の社長の話。

先日のカルビー株式会社の伊藤社長の講演会より「意外すぎる2つの無いモノ」についてのお話を共有します。

先日、日本道経会長崎支部が主催されているカルビー株式会社 代表取締役社長 伊藤秀二氏の講演会に行って参りました。

 

更新が遅くなってしまいましたが、今回はその講演会の第二弾レポートです。

 

そのお話の中で、私が耳に残っている伊藤社長の言葉から、私なりに感じたことをみなさんと共有したいと思います。

 

 

今回は、カルビー株式会社の「意外すぎる2つの無いモノ」についてのお話です。

 

 

 

 


◆意外すぎる2つの無いモノ

 

カルビーには、次のものが無いそうです。

 

・マニュアル

・人事部

 

その他にも、会議もなるべくしないようにしているそうです。

「必要のない出勤」もさせないそうです。

いろんな「無い」ものがあるようですが、私の中で特に印象に残った上記2点についてお話したいと思います。

 

 

 

 


◆マニュアルがない

 

マニュアルは必要ありそうで必要ない、と伊藤氏は仰いました。

 

 

マニュアルは必要ない?

あれだけの従業員を抱えている会社なのに?

 

そう感じるのが普通ですよね。

もちろん、部門別に「マニュアル」はあるそうです。

 

何が無いのかというと、細部の「マニュアル」が無いとのこと。大まかな外枠はマニュアルで指示し、後の細部においてはその都度指示をしない。つまり、「マニュアル」を作成していないという方針だそうです。その代わり、明確に規定しているのが以下のものです。

 

 

カルビーグループ企業理念

私たちは、自然の恵みを大切に活かし、
おいしさと楽しさを創造して、
人々の健やかなくらしに貢献します。

 

カルビーグループビジョン

顧客・取引先から、次に従業員とその家族から、
そしてコミュニティから、最後に株主から
尊敬され、賞賛され、そして愛される会社になる。

 

例外的なことが生じた場合は、この企業理念、ビジョンをもとに、各自が考えて対応すること。そう指示しているそうです。

ビジョンもとても明確ですよね。

カルビーにおける行動の優先順位が明確です。

 

まず、顧客・取引先。

次に、従業員とその家族。

そして、コミュニティ。

最後に、株主。

 

個々の従業員が、指示待ち人間にならないためにも「主体的に考え、行動する」ということは、とても重要になってきます。

その都度、指示を待っているようでは時間のロスが生じるからです。

マニュアルにない事態が発生した場合に、この優先順位が明確であれば、取る行動はおのずと決まってきます。

当たり前のように感じるかもしれませんが、この指示を徹底できずに、逐一上司の指示を待つ従業員がたくさんいる企業も少なくはないと思います。
大企業は、その「基本」が徹底されていることを改めて感じました。

 

 

 

 

 


◆人事部がない

 

次にカルビーに無いモノ。

そう、「人事部」なのです。

 

では、人事はどうやって決めているかというと、人事権はすべて上司が持っている仕組みです。

 

具体的に教えてくださいました。

まず、社長Aが、直属の部下となる各部門のトップBを決めます。

その各部門のトップBが、自分の直属の部下となる管理職Cを決めます。

そして、Cが直属の部下Dを決めて…

 

この繰り返しです。

 

つまり、自分のポジションの直属の上司が、自分を選ぶという仕組みです。

 

 

この人事システムのメリットを考えてみましょう。
人事責任の所在が明らかになり、人事の透明性を確保できます。

上司と部下の信頼関係が構築され、モチベーションの向上につながります。

 

 

人事においては、不透明さゆえに疑心暗鬼になることがありますが、このシステムだと「誰が選んだか」が一目瞭然ですので、納得するかしないかは別にしても、かなり明確です。

 

 

しかしながら、こんな疑問が出てきませんか?

 

①上司に媚びを売って、贔屓される人が有利になるのでは?

 

②有能な人材は、複数の指名が考えられる。その場合はどうするのか?

 

 

 

 


では、伊藤社長の回答を順番に見ていきましょう。

 

 

①上司に媚びを売って、贔屓される人が有利になるのでは?

 

回答:プロジェクト自体を成功させる手腕が問われるため、その人選も評価スキルのひとつ。

 

 

なるほどーと唸ってしまいました。

たとえ贔屓されていたとしても、その人が有能でなければ、その人の目的を達成することができないため、自分の評価を下げてしまうことになりかねません。

 

 

 

②有能な人材は、複数の指名が考えられる。その場合はどうするのか?

 

回答:当人に選択させる。

 

 

プロ野球のFA制度のような感じでしょうか。

その指名された中で、自分が働きたいと思う部署または上司を選択するわけですね。

自分で選んだからには、愚痴をこぼしている場合ではありません!!笑

 

 

このように人事の透明化は、人事権を行使する側も指名される側も、双方に責任が生じてきます。
それと同時に、モチベーションをあげる効果も期待できます。

 

 

 

いかがだったでしょうか?

私のフィルターを通してお伝えしているので、情報が偏っているかもしれませんが、ぜひみなさんの組織運営の参考になれば幸いです★