2016 - 07 - 09
一つひとつの言葉に重みがあり、一つひとつの動きが軽々しくなく、その一定の共有空間に一歩足を踏み入れると、私の時間をも巻き込んで、ゆったりと流していく…。塩沼亮潤大阿闍梨から、濃厚で太い時の流れを感じました。
先日、塩沼亮潤大阿闍梨のお話を聞く機会をいただきました。
奈良県大峯山1300年の歴史で2人目となる
「大峯千日回峰行」を満行し、
翌年には9日間、
食べず、飲まず、寝ず、横にならずの
「四無行」を満行した塩沼亮潤大阿闍梨。
「大峯千日回峰行」とは、
奈良県吉野山の山道を往復48㎞、
1000日間歩き続ける修行です。
9年の歳月がかかります。
勤行をしながらひたすら歩き続けます。
持参するものはおにぎり2つと500mlの水。
これを食べ繋ぎながら1日16時間歩き続け、
下山してから掃除洗濯、次の日の用意など
身の回りのことを全て行うため、
約4時間半の睡眠で行に臨む生活が続きます。
1ヶ月で栄養不足のため爪がぼろぼろと割れ、
3ヶ月目に入ると血尿がでるほど衰弱していきます。
しかし、どんな状況になっても
1度この行に入ると途中でやめることは決して許されません。
万が一途中で行をやめざるを得ないと判断したならば、
所持している短刀でもって自ら腹を切り、
行を終えるという厳しい掟があります。
「四無行」とは、
断食、断水、不眠、不臥を9日間続ける修行です。
これは、食べず、飲まず、寝ず、横にならず
この4つがないので「四無行」といいます。
四無行は大変危険な行で、
無事生きて行を終える確率が50%だと言われます。
その行を成し遂げた
塩沼亮潤大阿闍梨。
一つひとつの言葉に重みがあり、
一つひとつの動きが軽々しくなく、
その一定の共有空間に
一歩足を踏み入れると、
私の時間をも巻き込んで、
ゆったりと流していく…。
濃厚で太い
時の流れを感じました。
それらの修行の先にあったのは…日常。
より日常の大切さ、有難さを知るための修行。
「大切なのは、”日常”です」
そう仰いました。
私と出会ってくれた人。
私を思い出してくれる人。
私とまた会いたいと感じてくださる人。
そういう方々に支えられて「今」があります。
すべてが日常の積み重ねです。
大阿闍梨のような境地には
達せないと思いながらも、
私自身、少しでもその境地に
お近づきしたいものだと…
そう改めて感じました。
ありがとうございます。
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