2016 - 05 - 06
イソップ寓話の山羊飼いのお話です。
逃げ出そうとしたのが、野生の山羊だけだとまだ良いのですが…自分の山羊まで逃げ出しかねません。ビジネスでも家庭でも…。みなさんはこのお話を読んで、どう感じられましたか?
山羊飼いが牧場へ行ったときのこと。
自分の山羊の群れの中に、
野生の山羊が紛れ込んだ。
山羊飼いは、
野生の山羊を自分のものにしてやろうと思い、
自分の山羊には
飢え死にをしない程度の
わずかな餌しかやらず、
野生の山羊には
たっぷりの餌を与えた。
翌日、放牧のために牧場へ連れ出すと
野生の山羊は逃げ出そうとした。
「過分の世話を受けておきながら
去っていくとは恩知らずな!」と言うと
野生の山羊は振り返ってこう答えた。
「だからこそ、余計に警戒をするのだ。
あなたは、昨日来たばかりの我々を
昔から一緒にいる者たちよりも大事にした。
それなら、
また後から別のヤツが来ると
あなたは我々よりも
そいつらをヒイキするに決まっている。
だから、去っていくのだ」
(参考:『イソップ寓話』6 山羊飼と野生の山羊)
既存客か?新規客か?
どちらの期待に応えたほうが良いのでしょうか?
もちろん、どちらも大切です。
どちらも大切なのですが
意外に既存客よりも新規客への
好待遇のサービスを目にします。
新規契約キャンペーン、
乗り換え割引、
初回無料…などなど。
私たちもこの山羊飼のように
新しい目先の利益に
目が行き過ぎていることはないでしょうか?
経営の安定化には、
リピーターの存在が欠かせません。
その今までのリピーターがあってこそ
安定した売上を計上することができます。
新規顧客へのアプローチは、
既存顧客に対するアプローチより
5倍の費用がかかると言われています。
(1:5の法則)
さらに、新規獲得コストは、
10年前よりも10倍になったと言われています。
確かに、新規獲得は重要。
そのために、中小企業であっても
広告費だけで何百万と
費やしているところもあるでしょう。
いま一度、新規顧客へのアプローチと
既存顧客へのアプローチのバランスを
見直してみるのも良いかもしれません。
新規開拓、新規顧客を増やすことに躍起になって、
今まで構築してきた信頼関係を
崩すようなことにならないようにしたいものです。